はんだ付け練習キット(表面実装部品)

2023/01/03

はんだ付け

t f B! P L

表面実装タイプの電子部品のはんだ付けを練習します。

 


経緯

プリント基板に電子部品を実装する技能「はんだ付け」。本業で表面実装部品を扱う必要に迫られております。
挿入はともかく表面実装となるとほぼ未経験。あまりに苦戦するので練習します。
(日常的にプリント板の試作・評価をしている回路設計者なら出来て当たり前と思われそうですが、実際そうでもありません。
製品分野によっては挿入部品しか使わなかったり、職場によっては安全衛生のため設計者のはんだ付けを禁止しており、実験用の軽微な部品交換ですらいちいち製造に依頼する運用だったりします)。


購入品

表面実装への挑戦にあたり、部材を買い足しました。

1.練習キット(基板と実装部品)

Amazonで見つけた基板と部品とのセットです。もっと小さいサイズも扱えるようになりたいですし、もっと個数をこなして練習したいところですが、まずはこれでいきましょう。


2.はんだ線(φ0.6mm)

φ0.3~φ0.6mm辺りが良さそうです。手持ちのものは表面実装部品には太すぎる(φ1.6mm)ので買いました。できれば鉛フリーはんだを使えるようになりたいのですが、それは難易度高過ぎるので鉛入りを選びました。


3.フラックス

フラックス(ヤニ)ははんだ付けの促進剤です。はんだ付けの邪魔となる金属表面の酸化膜を除去しつつ、はんだの表面張力も抑えてくれます。

はんだ線(ヤニ入り)に含まれているので、今まではあえて個別のものを用意してはおりませんでしたが、表面実装となるとそうもいかなさそうです。

なにしろ動画サイトで面実装のはんだ付け動画を見ると、大体はフラックスを使用(むしろ多用)しております。
作業を動画で公開するほどの熟練者ですらフラックスに頼るのであれば、自他認める低レベルなわたしにはなおさらです。買いました。


4.こて先(C型)

※こて先ははんだごてによって取付可否あるので、こて先購入時にはお使いのはんだごてについてメーカ・型式をご確認の上、対応する製品を選択してください

B型のこて先("鉛筆型"とも呼ぶらしい)に比べ、接触面積を広く取りやすく、熱を伝えやすくなります。

図1.こて先(左:B型、右:C型)


はんだごて購入時にデフォルトでついてきたB型ですが、ネット情報を見る限り人気がない様子。小さい面実装部品でさえもC型、D型、K型など、より平べったく接触面積を取りやすい型を使う例が多いように感じました。

今までB型しか使っておりませんでしたが、いずれ鉛フリーはんだ(B型で挑戦したが全然溶けない)を扱うこと考え、交換しました。


はんだ付け

1.チップ抵抗・ダイオード

図2.チップ抵抗・ダイオード

キットのチップ抵抗はインチ表示で1206(3.2mm×1.6mm)、0805(2.0mm×1.2mm)、0603(1.6mm×0.3mm)の3種類。ダイオードはよくわかりませんが、実装箇所のシルクに「1206」とあります。

1206、0805を実装。片方のパッドを予備はんだ →予備はんだにフラックス塗布 →予備はんだを加熱しつつ、チップ抵抗を横からスライドさせるように挿し込み仮はんだ →反対のパッドにフラックス塗布 →そこを本はんだ →仮はんだにフラックス塗布 →仮はんだを本はんだ。
動画で観た手順を繰り返します。

0603。。。?。急にうまくいかなくなりました。手順は同じ。同じはんだでフラックス塗布も忘れていないのに、はんだが流れなくなりました。いもはんだだらけ。
本業では0402(1.0mm×0.5mm)を多用するというのに(しかも鉛フリーはんだで)。サイズが少し小さくなるだけでこんなに変わるとは。別途練習です。

図3.裏返る抵抗

それにしても、どうしてチップ抵抗は転がすと大部分が裏向きになるのでしょう。ピンセットで1個1個ひっくり返すのが地味に大変です。

2.LED

図4.チップLED

写真映りが小さすぎますがチップLEDです。1個しかありません。

どちらがアノード(+)・カソード(-)かさっぱりですが、一般的に裏面の三角マークが電流の向きを示している様子。チップ抵抗に比べて電極の露出部分が小さく、チップサイズのわりにはんだの付きが控えめになってしまいました。もっと練習しなくては。


3.IC(SOP)

図5.IC(SOP)


SOP、1.27mmピッチです。

パッド×1本予備はんだ →フラックス塗布 →予備はんだしたパッドにリード×1本を仮はんだ →仮はんだした側のリードを一息に本はんだ →反対側のリードを一息に本はんだ

最初の仮はんだを何度か失敗しましたが、意外と以降は難しくはありませんでした。動画のお手本通りにフラックスをたっぷり塗りたくったのが良かったのかもしれません。

基板上にはSSOP(0.65mmピッチ)の実装箇所もありますが、キット内容物にSSOPはありませんでした。残念です。


4.3端子

図6.3端子


一番難しかったです。この3端子部品はダイオードでしょうか、トランジスタでしょうか。

チップ抵抗に足が一本増えただけと思いきや、仮はんだで固定していない側が浮き上がってしまいます。ピンセットで上から押しつけつつ仮はんだを再加熱。ズレます。固定できません。

最終的にはフラックス漬けという感じではんだ付けして電気的には問題ない程度に繋がりました。おかげでフラックスの有用性を実感できました。


フラックス除去

後で知ったのですが、日本国内の製造現場では洗浄不要のフラックスが主流になりつつあるようですね。そういえば過去に製造へ改造依頼したプリント板もフラックスが残ったまま戻ってきていたように思います。

また、そもそもフラックスを除去するのは絶縁性の確保(リーク電流の防止)や腐食の防止のため。はんだ付け練習に使っただけのプリント板にこの工程はまったく必要なかったのですが、IPA(IsoPropyl Alcohol)とキムワイプ(実はこれらも今回買いました)とで塗布したフラックスを除去しました。

図7.フラックス除去

キムワイプを折りたたんでプリント板の上に乗せ、上からIPAを垂らします。これを上から押し付ける(IPAは有害なので素手は避けた方が良いらしい)ようにして軽くこすります。大量に塗布したフラックスを除去するには何度も繰り返す必要がありました。


所感

図8.はんだ付け完了

はんだ付け完了です。

練習としては部品個数があまりに不足しておりますが、第一歩としては充分だったかもしれません。なにしろこれだけでも完了までに数日かけております。

引き続き新たな部材を探して練習を続けていきます。

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