ノートパソコンのキーボード分解掃除(ジェルクリーナーを取り除く)

2023/08/05

t f B! P L

キーボード内部で固まってしまった百均の「ジェルクリーナー」を取り除きます。

 

経緯

「ジェルクリーナー」。キーボードの細かいごみをスライム状の粘液にくっつけて取り除くという、ネットでなかなかの評判の商品です。

ところがこの製品、あまりに液体寄りでした。キーボードの隙間からキートップ(各キーのカバー)の裏側まで流れ込んで固まってしまい、キーを満足に押し込めなくなってしまいました。

開封した時、ドロドロすぎる中身を見た時点で止めるべきだったのですが、室温27℃は暑すぎたかもしれません。

キーボードに流したこのジェル、流動性が高すぎて、手で剥がす、という感じではありません。それをある程度固まってから剥がそう、と放置したのは判断ミスでした(せめてひっくり返して内部に流れ込まないようにしておけば。。。)。

出勤前に27℃の室温は昼には30℃超。ジェルの流動性はさらに高まり、帰宅後のキーボードは内部までジェル浸しになってしまいました。

キーボードの分解方法

ネットで調べてみれば、同様の事例が見つかりました(しかも1年以上前の情報)。ジェルを買う前、せめて使う前に調べていれば。。。後悔先に立たずです。

キートップの裏側で固まったジェルを取り除くにはキートップを外すしかなさそうです。
方法はネットで見つかるのですが。。。ノートパソコンでもメーカーや商品シリーズによって構造が違っているらしく、外し方も変わってくるようです。

わたしのノートパソコンはLenovo idapad 5 Pro。となればLenovoのサイト情報が確実でしょう。

ノートブック製品でキーボードのキートップが外れた場合、部品に破損が無い場合は取り付け直しが出来る場合があります。

< 中略 >

■注意事項

※キートップは故意に外さないでください。故障の原因となります。

※キートップを取り付けるときに無理に力を加えると、キートップやキーボードの破損の原因となります。

Q.キーボードのキートップが外れた場合の対処方法を教えてください。

中略部分には写真もあり、内部構造(「パンタグラフ式」)も図解されております。

。。。ただ、「故意に外さないでください」と注意があるように、あくまでも意図せず外れてしまった場合の付け直し方の説明であって、外し方は書かれておりません。「故障の原因となります」というだけあって安全な外し方は無いのかも知れません。

そうは言ってもジェルのおかげでキー入力もできず、すでに故障しているようなものなのでやむを得ません、ここは開き直って作業します。

分解掃除道具

使った道具です(写真上から順)。

・拡大鏡・・・両手で細かい作業しますのでゴーグルタイプが便利(百均で購入)

・精密ドライバー(マイナス)・・・キートップを外します

・ピンセット・・・パンタグラフ(正式名称不明なので以降こう呼びます)や、こびりついたジェルを取り除きます

図1.分解・掃除道具

その他便利な道具

・綿棒・・・必要、というほどではないまでも、あった方が作業し易い

・キムワイプ・・・こびりついたジェルを取り除くのに便利

キーボードの分解掃除

1.電源を切る

Lenovo 5 pro の場合ですが、電源OFF状態でいずれかのキーを押すとバッテリー残量を表示する機能があります。作業中にいちいち反応されると困ります。

図2.電源OFF時のバッテリー残量表示

この機能をOFFにする方法が見つかりませんでした。バッテリーを外すには筐体を開ける必要がありますし。。。仕方ないので一日かけてバッテリーを使い切りました。
こうした機能が無いパソコンであれば電源OFFで充分でしょう。

2.分解前に写真を撮る

ネット上で調べると、キーボードの分解時には元の状態を写真を撮るように注意を呼びかけられております。
恐らく一般のキーボード分解掃除は、すべてのキーを外して掃除、その後一気に嵌め直すのでしょう。

わたしの場合は基本的に掃除したキーを元に戻してから次のキーに移ったので問題ありませんでしたが、それでも撮って損はありません。

図3.掃除対象キー

ジェルを流し込んだのは赤丸領域。。。動作に問題無いキーは対象外にしますが、それでも気の長い作業です(1行/日、休日6日に分けて作業しました)。

3.キートップを外す

精密ドライバー(マイナス)を隙間から挿し込みます。

図4.ドライバーを挿し込む

Lenovoの公式ページで見た内部構造イメージしながら作業します。焦らずぐりぐりと。

キートップ裏上側左右二か所のはめ込みからパンタグラフを外します。

パチッ、パチッとはめ込みが狙い通り外れたら、次はキートップを上方向に押し下げるようスライドします。

図5.キートップを外した

無事外すことが出来ました。内部はジェル(青。"ジェル"と言ってもすっかり固体化してます)が固まってこびりついてます。

4.パンタグラフを外す

続いてパンタグラフを四隅の爪から外します。
ピンセットでパンタグラフの上側左右をそれぞれ上方向に引っ張って爪から外せば、後は下方向にずらして下側左右の爪から抜きます。
※ピンセットでパンタグラフの細い箇所をつまんで力を加える必要がありますが、その状態でピンセットを滑らせてしまうと、つまんでいた細い箇所が割れそうです(割れませんでしたがヒビが入りました。何個も。。。)。破損させやすいので要注意です。

図6.パンタグラフを外した
パンタグラフも外しました。その裏側までジェルまみれです。

図7.キートップとパンタグラフを外した

案の定、ですがジェルはキーボードの奥まで行き届いてました。
ジェルを取り除くのに、分解してしまうしかないという判断は正しかったようです。

5.ジェルを取り除く

このジェルを取り除くのは結構な手間です。
ピンセットで剥がせはするのですが、掃除するキーは全部で50。一個に時間をかけてはいられません。
図8.ジェルを取り除く

完全に取り除くのはあきらめ、キーボード動作に支障出ない範囲で手早く掃除します。大きな塊をピンセットで取りつつ、綿棒でこすり取り、構造が複雑なパンタグラフはキムワイプでぬぐい取りました。

6.パンタグラフとキートップを嵌める

図9.パンタグラフを戻した

ジェルを取り除いたらパンタグラフ四隅を爪に下から上へと掛け戻します。
後はキートップをパンタグラフ下部に嵌るよう上から押し下げ、パンタグラフ上部に嵌るよう左右をパチッパチッと押し込みます。

図10.キートップを嵌めた後

キーを押して感触を確かめます。ジェルが無くなり、パンタグラフにもしっかり嵌っていれば無事完了です。

7.特徴的な内部構造のキー

図11.Capslkキー

横長のキーの場合、キートップはパンタグラフではなく上下二本の金属棒に嵌る構造になっておりました。パンタグラフも他のキーよりも横長のもので、構造の違いに注意です。

図12.スペースキー

スペースキーではキートップ裏側に上下10か所で金属棒に嵌め込む構造になっており、外す際に根気が要ります。

所感

無事、顕著な破損無しに作業を終えました。この記事も分解掃除したパソコンで作成しております。
以下いくつかの感想やら教訓など。

1.新製品は買う・使う前に評判(悪評)を探すこと

そもそも、ジェルを使わなければ手間がかかり、危険を冒して分解することもありませんでした。使うにしても、危険性を知っていれば被害を減らすこともできたはずです(寒い季節に使う。すぐに剝がすなど)。
思えば好評と共に世に広まった新製品が後々になって危険視された事例はいくつもあります(中には人体に悪影響を及ぼすものも)。
このジェルが今後どうなるか不明ですが、わたしはこの製品について話す場合には注意を促します。

2.ノートパソコンのキーボード分解掃除はしないに越したことはない

パソコンメーカーが非推奨としている作業をするわけです。
今回は分解掃除しなければキーボードがまともに使えない状況に追い込まれたため、最悪破損も覚悟して分解掃除に挑みましたが、壊しかねません。
実際、わたしもパンタグラフにヒビを入れてしまいました。それでも機能を損なうほどの破損をさせなかったのは運が良かったと思いますし、そもそもわたしの技量で分解できるキーボードだったという点も運が良かったのでしょう。
もしかすると分解掃除できる種類のキーボードもあるのかもしれませんが、あらかじめメーカー情報を確認した方が良いでしょう。

3.完全にはジェルを取り除けなかった

いくつかのキーの押しにくさ、反応の鈍さを感じながらこの記事を書いております。
時間的制約や、キーボードの構造の複雑さから、すべてのジェルを取り除ききれなかったことが原因でしょう。ジェルはわずかでも、残った場所によっては動作に悪影響が発生します。分解掃除すれば良いから、といってジェルを使うのもおすすめできません。

4.予備のパソコンがあると安心

今回の分解掃除に一カ月弱かかりました。
その間ずっとパソコンを使わずに済んだわけではありません。以前メインで使っていた古いパソコンを1台手元に残しておいたのが幸いしました。
そもそもパソコンはHDDにしてもSSDにしても突然壊れるものらしい(幸い今まで壊れたことはありませんでしたが)ので、壊れてから買うという余裕が無いのであれば、予備があるのは重要だと実感しました。あるいは近所にインターネットカフェがあれば、そこのパソコンをあてにするのもありでしょう。

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