はんだ付け練習キット(表面実装部品)4

2023/07/16

はんだ付け

t f B! P L

はんだ付けした面実装部品を取り外します。

 

経緯

本業で必要に迫られ、面実装部品のはんだ付けを練習しておりました。

付けられるようになったものの、外せないことに気が付きました。

<これまでの練習>

「はんだ付け練習キット(表面実装部品)」
「はんだ付け練習キット(表面実装部品)2」
「はんだ付け練習キット(表面実装部品)3」

プリント板の実験・解析に直面し、部品(特に0Ω抵抗)を外して回路を切り離したり、抵抗やコンデンサの定数を変えて試したりしなくてはなりませんでした。
手こずったあげく部品を壊したり、ランドを剥がしてしまっていては余計な残業がどんどん増えてしまいます(残業が増える程度で済んだのはまだ良いケースかもしれません)。

外す練習をはじめます。

キット・道具

練習キット

実装練習したキットの1枚を捨て忘れてました。これを使います。
図1.はんだ付け練習キット(実装済)

これまで練習キットを実装だけして捨ててましたが、部品を付けて外しての再利用は当たり前だったのかもしれません。
何しろキットは部品点数が少なく、使い捨てで回数をこなすために何枚ものキットが必要になってしまいます。うかつでした。

はんだごて

使うはんだごては一本。
図4.こて先(右の"C型"を使います)


二本のこてでチップ部品の両極に両側からぐりぐり力を加えてしまうと、ランドを剥がしてしまう可能性が高くなります(実体験)。
部品が大きくなれば二本使わざるを得ない場合もありますが、そうでなければリスクを避けて一本で作業したいのです。

作業

基板の固定

図2.プリント板固定のための両面テープ

フラックス塗布

じゃぶじゃぶと塗ります。
図3.フラックス塗布

はんだ表面の酸化被膜や汚れを除去して、はんだを溶かしやすくします。
これが無いとわたしの技量では付けることも外すことも上手くいきません。下手したら部品を焦がします。
特に表面実装部品を扱うならお勧めです。

はんだを盛る

実装部品のはんだ付け箇所に新しいはんだを溶かして盛り上げます。
なお、今回外す部品は鉛入りはんだによる実装です。盛るはんだもそれに合わせて鉛入りを選びました。
これが鉛フリーはんだとなれば、その融点と共に作業難易度も上がるのでしょう。本業で使えるようになるにはいずれ鉛フリーでも練習しなくてはなりません。

部品を外す

チップ抵抗両端の電極にこて先で(同時に)触れ、加熱。
はんだの溶ける様子を見て素早く押し出します。
もたもたしていると抵抗を焼いてしまいます。

図4.チップ抵抗を外した(左上"R11")

チップコンデンサ、ダイオードも同様。
サイズが小さくなっても、外す分にはむしろやりやすくなります。

図5.二端子部品を外しきった

次に三端子部品を外します。
図6.三端子部品の外し方

はんだごて一本、部品回りをぐるぐるなぞり、三つの端子を順に繰り返し加熱します。
(ネットで見つけて今回はじめて試した方法ですが。。。実は本当にできるのかと半信半疑でした)

図7.三端子部品を外した("Q3")

外せました!自分でも驚きです。
やってみないと要領は分かりにくいですが、出来てしまえば意外とあっさり外せました。

ICを外します。端子はさらに増えて14本です。
図8.ICの外し方

要領は三端子と同様です。
こて先でICまわりをぐるぐるとなぞり、端子を順に間を置かずに加熱していきます。

複数の端子に同時に熱が伝わるよう、たっぷりはんだを盛り(端子間をはんだで繋ぐ)。。。

図9.ICへのはんだ盛り(右上"U1")

フラックスをたっぷり塗って、こて先でIC周りをぐるぐるなぞり、過熱。。。

図10.IC外した(右上"U1")

外せました!
この外し方を練習すれば、もっと端子の多いQFP(Quad Flat Package。四側面からリードが出ているパッケージ)でもこて一本で外せるようになるかもしれません。いずれ試してみたいものです。

はんだ吸い取り

ランドに残ったはんだを吸い取り線で取り除きます。
たっぷり盛っただけあって、吸い取るはんだ量もそれなりです。

図11.はんだ吸い取り線

ここは特筆することはありません。
ランド一つ一つ、吸い取り線を当てた上からこて先で加熱。
線を延ばしながら順繰りにはんだを吸い取っていきます。

(a)吸い取り前

(b)吸い取り後
図12.はんだ吸い取り

はんだを吸い取りました。

フラックス除去

基板が黄ばむほどに塗りたくったフラックスをIPA(イソプロピルアルコール)をかけたキムワイプでふき取ります。
なお、IPAには脱脂作用あるので素手では触りません(たまに横着して触りますが)。
黄色い手袋は百均で買った掃除用のものです。

図13.フラックス除去

ふき取りました。
黄ばみも取れてきれいになりました。これならまた実装練習に使えそうです。

図14.フラックスふき取り後

図15.フラックスをふき取ったキムワイプ

。。。練習キットを使い捨てていた時には、あまりフラックスを拭き取る必要を感じておりませんでしたが、こうしてみるとキムワイプはかなり便利です。
ティッシュペーパのように基板に繊維を残したりせず、きれいに拭き取ることが出来ます。
まとめ買いして持て余し気味でしたが、これからは消費量が増えそうで何よりです。

所感

外した部品です。

図16.外した部品やはんだ、吸い取り線のごみ


本当は外した部品もきれいにはんだを除去したいところですが、それは再実装する際に回すことにします。

「はんだ付け」という言葉通り、これまでは部品を付けることばかりに気を取られておりました(だから再利用の発想もなかった)が、外す技術も奥深いものです。
今後は外す練習もしていきます。

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