2個のLEDを交互に点滅。「Lチカ」です。
きっかけ
電子工作を上達するためにはとにかく作ることだそうです。
本業の回路設計で追い詰められているわたしは「LEDを点滅させて何になる?」などと言っていられません。アイディアもないので『電子工作大図鑑 第3版』(伊藤尚未 著。誠文堂新光社 発行。以降「本」と呼びます)掲載の回路を作っていくことにしました。
本の裏表紙には「ラジオ少年の頃に戻って夢中になる!」の一文が。。。今からラジオ少年となると社会人レベルに到達するのはいつになることでしょう。本に掲載されている回路は全部で68。一カ月に1回路進めるとしても、この一冊通すだけで5年間以上かかります。。。
。。。工作に挑みます。
原理
『LEDピカピカ装置』とは本掲載の名前。いわゆる「Lチカ」です。電子工作をやり直すたびに何度も作っております。
動作は無安定マルチバイブレータです。
例えば右側の2SC1815がONしてそのコレクタ電位が一気にGND程まで下がるとします。このコレクタに直結する右側の100μFはその充電状態に応じた一定の電位差を両端子間に維持しているため、ONしたトランジスタとは反対側の端子も合わせて電位が一気に下がります(約0.6V→マイナス電位)。このマイナス電位がベースに直結する左側の2SC1815はこれでOFFするのですが、ここから徐々に右側100μFは充電され左側のOFFしている2SC1815ベース電位も上昇、約0.6Vを超えると左側2SC1815がONします。すると左側2SC1815のコレクタ電位が一気にGND程まで下がり。。。以降左右反転しながらの動作が繰り返されます。
回路設計の上達を目指すなら定数計算(LED電流とVFから電力を出して定格に対してディレーティングを加味して余裕あるか、etc.)も数をこなすべきでしょうが。。。今回は割愛します。
部品
買い足した部品はスライドスイッチのみ。部品在庫を整理したおかげで探すまでの心理的ハードルが下がりましたし、早く集められました(記事『電子部品の整理~散らかり解消でやる気を出す~』)。
しまい込んでいたLEDはリードがさびてしまってました。防湿のない保存状態が良いわけもなく、他の部品もどんどん使っていかなくては。
製作
基板カット
基板を適当な寸法に切ります。
今まではカッターナイフで適当に傷つけて基板をへし折ってましたが、本に「アクリルカッター」で切る方法を紹介されておりましたので買いました。
なかなか刃が通りません。
本によれば「少なくとも厚みの1/2以上の深さの溝を作る」のですが、30分間以上かけてもそこまで到達できません。
スルーホール(穴)の並びを避けて切った方が良かったかもしれません。穴と穴をつなぐように切っていたので(写真3、4)、刃が穴にぶつかってガタガタしてしまいます。
結局あきらめて力任せで割りました。
部品実装
部品を挿入。部品のリードを配線代わりに曲げたり形を整えた上で切るのが本のやり方。。。理にかなっております。これは今回の学びでしょう。
今までははんだ付けしてからリードを切りがちでした。ですがそれでは切る際にはんだに応力がかかってクラックの原因になりかねません。知ってはいたのですが。
それに今までは部品をはんだづけしてリードを短く切ってから、切ったリードやすずメッキ線で部品同士つないでおりました。本のやり方であれば切る必要のないリードは切らず、つなげる回数も減らすことができるわけです。リードを切る段階で先を考える面倒を厭わなければ。
はんだ付け
消しゴムを台にすると良いそうです。これも本からの学びです。
部品を邪魔にならぬよう基板を浮かせた状態で作業できます。手持ちの消しゴムでは今一つ大きさがそろわず傾きましたが、用意しておけば便利な技でしょう。
スライドスイッチのようなリードを曲げて固定しにくい部品は部品本体を接着剤で基板に固定してからはんだ付けします。学びです。
今まで大きな部品はテープで留めてはんだ付けしておりましたが、はみ出たテープが邪魔になったり、張りが緩みやすく微妙に部品が浮いて付いてしまいがちでした。
思い返してみれば本業の製造現場でも大きな部品は接着剤を使って固定しており、テープで固定したりはしていません。作業し易いのも納得です。
完成
電源3Vとなる電池ケース(1.5V×2直列)をつなげて完成です。
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